「あたいを買って、あたいが凛子になってあげる」。凛子が毒殺されたのを知った紅子は真彦に切り出す。紅子にとって、貧しい家族を救い、自らも這い上がるための提案だった。凛子の死を隠し、犯人をあぶり出せばいい、と。犯人への復讐に燃える真彦は、頷く。
凛子の亡骸を葬った紅子と真彦は、紅子の特訓を始める。パーティまでの期限は三日。顔は凛子と瓜二つの紅子だったが、育った環境がまるで違い、子爵令嬢の立ち居振る舞いを覚えるのも至難の技だった。「あたいは光を探して飛ぶ蛾だ。生き抜いてみせる」パーティの当日。凛子として清瀬家に乗り込む紅子。義弟の太一が犯人と疑う真彦は真っ直ぐ太一に迫る!ひとり残された紅子に執事の藤堂と、凛子の親友の麗華が怪しく近付いてきて。
娼婦と淑女
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