どしゃぶりの雨の中、空き地に佇む男の姿があった。男は中堅建設会社「フロンティア建設」に勤める松嶋健一郎(佐藤隆太)。ここには最近までアパートが建っていたが、健一郎の会社が手がける再開発のために取り壊されていた。アパートの住人だったおばあちゃんに、宛先不明になってしまう手紙を「責任を持って届ける」と約束した健一郎は、ひとり郵便配達員を待っていたのだった。
ある夜、健一郎は同僚の熊沢志郎(田中圭)と取引先のパーティー会場へ向かう。熊沢はパーティーの後に控えた町田佳乃(貫地谷しほり)との飲み会が気になってソワソワと落ち着かない。佳乃に思いを寄せる熊沢は、彼女の友だちである健一郎に飲み会のセッティングと恋のアシストを頼んでいたのだ。 ところが、パーティー会場では健一郎が落とした招待状を拾った女が勝手に代理を名乗り、パーティーに潜り込んでいた。健一郎は、旺盛な食欲で会場の料理にパクついていたその女・栗田鳴海(深田恭子)を捕まえて問い詰めるが、鳴海は悪びれる様子もない。やがて、腹が痛いと苦しみ出した鳴海を慌てて病院に担ぎ込むも、結果はただの食べ過ぎ。所持金が300円しかなく診察代が払えないと言う鳴海に、健一郎は「反省して真面目に生きろ」と5000円を渡して立ち去った。
まっすぐな男
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